薬剤師の“わ”ニュース(8/17)Vol.156

今回のトピックはこちら

かかりつけ薬剤師の利用は患者リスクを減らすのか?

薬局・薬剤師に関係がある記事について、編集者の独断と偏見でピックアップして独自の意見を書きます。

すき間時間を利用して、サクッと情報をGETしましょう!

※ニュースの情報をご活用される場合は、必ず皆さんの責任の元で情報を取得し、日々の業務にご活用ください


スポンサー&協賛企業のご紹介!

薬剤師の“わ”の活動を応援して下さる企業様や団体様のお力添えにより、毎回のセミナー運営やその他の活動が行えています!

随時スポンサーは募集しております😌


薬剤師の“わ” お勧め書籍!

薬剤師の“わ”で講師をして頂いた先生が出版されている書籍をご紹介します!


かかりつけ薬剤師の利用は患者リスクを減らすのか?

2025年までにすべての薬局を「かかりつけ薬局」へということで、すべての薬局がかかりつけ薬局になっていることを前提として調剤報酬が改定されました。

そして、かかりつけ薬剤師を評価する点数が設けられ、今後、かかりつけ薬局の必要性を評価する研究や調査が行われると思います。

薬剤師の“わ”ニュースV0l.152ではレセコンメーカーが行ったアンケート調査の結果をご紹介しました。

今回、「かかりつけ薬剤師制度」を評価している論文がありましたのでご紹介します。

詳細は各自でお読みください!

詳しくはこちら
・Family Pharmacist System for Patients With Chronic Cardiovascular or Endocrine Disease, Ryo Iketani, Shinobu Imai, JAMA Network Open. 2026;9(2):e2560398. doi:10.1001/jamanetworkopen.2025.60398

上記の記載により著者および掲載誌の明記とさせて頂きます。

薬剤師の“わ”ニュースは音声データでも配信しています!


かかりつけ薬剤師制度と死亡・入院リスクの関係性

訳すと「慢性の心血管疾患または内分泌疾患を有する患者に対するかかりつけ薬剤師制度」になるのでしょうか

この研究では、「かかりつけ薬剤師制度」を利用した患者と「かかりつけ薬剤師制度」を利用していない患者を比較して、「かかりつけ薬剤師制度」の有用性について議論しています。

慢性心血管疾患または内分泌疾患を有する高齢患者に対して、あらゆる原因による死亡または入院のリスクを調査しています。

かかりつけ薬剤師制度を利用した患者と利用していない患者それぞれ22,557名を対象としており、かなり多い人数を対象にしています。

また、アンケートのような主観的なデータではなく、レセプトデータを使用しているので客観的なデータをなっています。

「かかりつけ薬剤師制度」の利用の有無で患者さんの死亡または入院のリスクはどのように変わるのか?

皆さんはどのように予想しますか?


研究デザインについて

研究デザインについて

・データ:健康保険データベース(2015–2024)のレセプトデータ

・対象患者:75歳以上で、対象疾患の治療で薬局を2回以上利用した患者

・対象疾患:高血圧、2型糖尿病、脂質異常症、心不全、狭心症、心房細動など

・「かかりつけ薬剤師制度」利用者と非利用者を1:1に調整

・最終的に45,114人(各22,557人)を比較

・追跡期間:最大2年

・主要評価項目:あらゆる原因による死亡または入院の複合リスク

・副次評価項目:各構成要素(死亡、入院)を個別に分析

上記のようなデザインで調査を行っています。


かかりつけ加算の負担額バイアスが無くなったら

結果として、「かかりつけ薬剤師制度」利用者と非利用者であらゆる原因による死亡または入院のリスクは同じ発生率でした。

統計的に言うと、主要評価項目について「かかりつけ薬剤師制度」使用者と非使用者の間に有意な差はありませんでした。

表題:マッチング後のアウトカム発生率とリスク

JAMA Netw Open. 2026;9(2):e2560398. doi:10.1001/jamanetworkopen.2025.60398

副次評価項目について

あらゆる原因による死亡の発生率は、「かかりつけ薬剤師制度」利用者でわずかに低かった。

あらゆる原因による入院の発生率は、同等で変わらず。

処方変更の発生率は、「かかりつけ薬剤師制度」利用者の方が高かった。

議論でも書かれていますが、「かかりつけ薬剤師制度」利用者は処方変更が多いことから、薬物治療が最適化され、それが死亡リスクの低下の一因となった可能性がある。

主要評価項目では有意な差はみられませんでしたが、全体としては「かかりつけ薬剤師制度」の利用は、非利用と比較してあらゆる原因による死亡リスクをわずかに低下させるという仮説を生み出した。と締めくくられています。

令和8年以前の「かかりつけ薬剤師制度」は、利用すると負担額が高くなうということで、日頃かかりつけとして対応していた患者さんに「今さら勧めにくい」というのが薬剤師側の意見だったと思います。

その背景から考えると本研究は、本当のかかりつけ患者が対象から抜けている可能性があるデータとも考えられます。

しかし令和8年度からは、2025年までにすべての薬局が「かかりつけ薬局」になっているという考えのもと、かかりつけ薬剤師の選択による自己負担の増加もなくなりました。

かかりつけ薬剤師がいる患者さんとかかりつけ薬剤師がいない患者さんの条件は、「いるか・いないか」だけになります。

かかりつけ薬剤師加算のバイアスは無くなります。

今後、同じような調査研究が発表された時、「かかりつけ薬剤師制度」や薬局・薬剤師の存在意味が問われるのだと思います。


セミナーのご案内

薬剤師の“わ”のセミナーのご案内です。

参加登録はポスターをクリック!

沢山のご参加をお待ちしております!

コメントを残す