薬剤師の“わ”ニュース(8/24)Vol.157

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これでベースアップ中間報告はOK!

ベースアップ評価料の届出が近づいてきました。

今回は、薬剤師の”わ”ニュース Vol.154でもご紹介しましたが、改めて「ベースアップ評価料賃金改善中間報告書」の作成について、法人の例でご紹介します。

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報告内容作成前の準備

まずは「R8実績・中間報告書(保険薬局用)【報告書専用様式】[97KB]」をダウンロードします。

こちらは2026.08.05に更新されています。

矢印はここまで下のページにありますよ、という意味です!

「別添2」は届出書の表紙になりますので、薬局情報を入力してください。

例えば、法人で3店舗を経営されている場合、「法人内通算」として総収入実績額や、全職種に係る基本給
等総額をまとめて報告します。

しかし、報告はまとめてではなく、各店舗ごとの報告になります。(報告内容は統一です)

3店舗経営しているのであれば、3店舗分のデータを作ってください。


いざ、報告内容を作成!

薬剤師の“わ”薬局 A店と薬剤師の“わ”薬局 B店の2店舗を運営している法人を例に考えます。

2店舗の基礎情報は以下とします。

今回は黄色の方が対象になります。

管理薬剤師や40歳以上の薬剤師は対象外です。事務員は全員が対象者になります。

Ⅲ.ベースアップ評価料による収入の実績額【(2)の期間中】

同一グループ保険薬局名と同一グループ保険薬局数

今回、薬剤師の“わ”薬局 A店と薬剤師の“わ”薬局 B店の2店舗を法人内通算して報告するので

同一グループ保険薬局名には、「薬剤師の“わ”薬局 A店、薬剤師の“わ”薬局 B店

同一グループ保険薬局数は「」と入力します。

(3)調剤ベースアップ評価料による収入の実績額
24,000+26,000+36,000+34,000=120,000

ここは2店舗の6月、7月のベースアップ評価料収入を合計するだけです。

Ⅴ-1.事務職員の基本給等総額に係る事項

(10)対象職員の常勤換算数【賃金改善実施期間(1)の開始月時点】
正社員2名+(20hr/40hr)×2名=3.0人

(11)当該評価料を算定した年度に勤務している対象職員の基本給等総額【賃金改善実施期間(1)の開始月時点】
230,000円×2名+(20hr×4.3週/月×1,200円)=666,400円

(11)はベースアップ賃金額の基本給総額です。

今回は便宜上月4.3週働いたとして計算しています。

(12)令和8年3月時点の給与体系を、当該年度に勤務している職員の賃金に当てはめた場合の対象職員の基本給等総額
210,000円×2名+(20hr×4.3週/月×1,100円)=609,200円

(12)はベースアップをしなかった場合の基本給総額を計算します。

正社員事務員は21万円、パート事務員は時給1,100円になります。

Ⅴ-2.薬剤師の基本給等総額に係る事項

(17)対象職員の常勤換算数【賃金改善実施期間(1)の開始月時点】
(30h/40hr)+(20hr/40hr)×2名=1.8人

(18)当該評価料を算定した年度に勤務している対象職員の基本給等総額【賃金改善実施期間(1)の開始月時点】(30hr×4.3週/月×2,300円)+(20hr×4.3週/月×2,300円)×2名=692,300円

(18)はベースアップ賃金額の基本給総額です。

(19)令和8年3月時点の給与体系を、当該年度に勤務している職員の賃金に当てはめた場合の対象職員の基本給等総額
(30hr×4.3週/月×2,100円)+(20hr×4.3週/月×2,100円)×2名=632,100円

(19)はベースアップをしなかった場合の基本給総額を計算します。

Ⅵ.保険調剤による収入の割合

(24)保険調剤による収入の総額【前会計年度における1年間の総額】

薬局の年間売上(技術料+薬剤料)を入力してください。

前会計年度とあります。12月決算や3月決算など法人によって異なりますが、法人の会計年度で良いと考えます。

A店71,820,000円+B点106,800,000円=178,620,000円

(25)全ての収入の総額【前会計年度における1年間の総額】

多くの保険薬局では店舗販売業を併設していないと思いますので、(25)は(24)と同額を入力して(26)が100%になるようにしてください。

<補足>
この項目の目的は、保険調剤以外の売上割合(保険調剤以外の仕事割合)を知ることです。
保険外売り上げが全体の30%とすると、30%分は保険調剤には関係の無い売り上げで、今回ベースアップした額の30%分はベースアップ評価料として認めませんとなります。

Ⅳ.ベースアップ評価料対象職員(全体)の月額賃金総額に係る事項

(9)上記(8)以外で、ベア等に伴う賞与、時間外手当、法定福利費(事業者負担分等を含む。)等の増加分に用いた額

ベア等による法定福利費等の増額についてもベースアップ増額分として報告ができます。

概算の場合、最大16.5%で計算可となっているので、(9)は「ベア実績額(7)×0.165」で計算されます。
117,400円×0.165=19,371円となります。

Ⅶ.ベースアップ評価料による収入が対象職員へ充当されているか

(31)ベースアップ評価料算定による収入額が対象職員への賃上げに実施されているか

(31)が「賃金改善額充当済み」になればOKです

賃金改善額充当不足」であればベーズアップ評価料収入に対する従業員のベーズアップが不十分ということになります。


報告書提出の注意点

法人内通算しており報告内容は同じ(統一)ですが、報告書は1店舗ずつ必要でメールでしなければなりません。

厚生局で確認される際にExcelの計算式が大切になるからです。

そのために、店舗数が多くデータが重くて送れないからPDFにしたり、Zipフォルダーなど圧縮したりしてはいけません。

【宛 先】各都道府県厚生局
【本文記載内容】薬局名と電話番号
【ファイル名】(保険薬局コード7桁)_令和年度ベースアップ評価料賃金改善中間報告書.xlsx
【注意点】PDF,Zipファイル,スプレッドシートで送らない


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薬剤師の“わ”ニュース(8/17)Vol.156

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かかりつけ薬剤師の利用は患者リスクを減らすのか?

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かかりつけ薬剤師の利用は患者リスクを減らすのか?

2025年までにすべての薬局を「かかりつけ薬局」へということで、すべての薬局がかかりつけ薬局になっていることを前提として調剤報酬が改定されました。

そして、かかりつけ薬剤師を評価する点数が設けられ、今後、かかりつけ薬局の必要性を評価する研究や調査が行われると思います。

薬剤師の“わ”ニュースV0l.152ではレセコンメーカーが行ったアンケート調査の結果をご紹介しました。

今回、「かかりつけ薬剤師制度」を評価している論文がありましたのでご紹介します。

詳細は各自でお読みください!

詳しくはこちら
・Family Pharmacist System for Patients With Chronic Cardiovascular or Endocrine Disease, Ryo Iketani, Shinobu Imai, JAMA Network Open. 2026;9(2):e2560398. doi:10.1001/jamanetworkopen.2025.60398

上記の記載により著者および掲載誌の明記とさせて頂きます。

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かかりつけ薬剤師制度と死亡・入院リスクの関係性

訳すと「慢性の心血管疾患または内分泌疾患を有する患者に対するかかりつけ薬剤師制度」になるのでしょうか

この研究では、「かかりつけ薬剤師制度」を利用した患者と「かかりつけ薬剤師制度」を利用していない患者を比較して、「かかりつけ薬剤師制度」の有用性について議論しています。

慢性心血管疾患または内分泌疾患を有する高齢患者に対して、あらゆる原因による死亡または入院のリスクを調査しています。

かかりつけ薬剤師制度を利用した患者と利用していない患者それぞれ22,557名を対象としており、かなり多い人数を対象にしています。

また、アンケートのような主観的なデータではなく、レセプトデータを使用しているので客観的なデータをなっています。

「かかりつけ薬剤師制度」の利用の有無で患者さんの死亡または入院のリスクはどのように変わるのか?

皆さんはどのように予想しますか?


研究デザインについて

研究デザインについて

・データ:健康保険データベース(2015–2024)のレセプトデータ

・対象患者:75歳以上で、対象疾患の治療で薬局を2回以上利用した患者

・対象疾患:高血圧、2型糖尿病、脂質異常症、心不全、狭心症、心房細動など

・「かかりつけ薬剤師制度」利用者と非利用者を1:1に調整

・最終的に45,114人(各22,557人)を比較

・追跡期間:最大2年

・主要評価項目:あらゆる原因による死亡または入院の複合リスク

・副次評価項目:各構成要素(死亡、入院)を個別に分析

上記のようなデザインで調査を行っています。


かかりつけ加算の負担額バイアスが無くなったら

結果として、「かかりつけ薬剤師制度」利用者と非利用者であらゆる原因による死亡または入院のリスクは同じ発生率でした。

統計的に言うと、主要評価項目について「かかりつけ薬剤師制度」使用者と非使用者の間に有意な差はありませんでした。

表題:マッチング後のアウトカム発生率とリスク

JAMA Netw Open. 2026;9(2):e2560398. doi:10.1001/jamanetworkopen.2025.60398

副次評価項目について

あらゆる原因による死亡の発生率は、「かかりつけ薬剤師制度」利用者でわずかに低かった。

あらゆる原因による入院の発生率は、同等で変わらず。

処方変更の発生率は、「かかりつけ薬剤師制度」利用者の方が高かった。

議論でも書かれていますが、「かかりつけ薬剤師制度」利用者は処方変更が多いことから、薬物治療が最適化され、それが死亡リスクの低下の一因となった可能性がある。

主要評価項目では有意な差はみられませんでしたが、全体としては「かかりつけ薬剤師制度」の利用は、非利用と比較してあらゆる原因による死亡リスクをわずかに低下させるという仮説を生み出した。と締めくくられています。

令和8年以前の「かかりつけ薬剤師制度」は、利用すると負担額が高くなうということで、日頃かかりつけとして対応していた患者さんに「今さら勧めにくい」というのが薬剤師側の意見だったと思います。

その背景から考えると本研究は、本当のかかりつけ患者が対象から抜けている可能性があるデータとも考えられます。

しかし令和8年度からは、2025年までにすべての薬局が「かかりつけ薬局」になっているという考えのもと、かかりつけ薬剤師の選択による自己負担の増加もなくなりました。

かかりつけ薬剤師がいる患者さんとかかりつけ薬剤師がいない患者さんの条件は、「いるか・いないか」だけになります。

かかりつけ薬剤師加算のバイアスは無くなります。

今後、同じような調査研究が発表された時、「かかりつけ薬剤師制度」や薬局・薬剤師の存在意味が問われるのだと思います。


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