薬剤師の“わ”ニュース(10/19)Vol.165

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薬の専門家の薬剤師も騒いでいる自主回収クラスⅡ

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薬の専門家の薬剤師も騒いでいる自主回収クラスⅡ

今回、ヘパリン類似物質ローション 0.3%「NIT」(以後、ヘパリン「NIT」)の自主回収が発表されました。

ネットニュースや様々なSNSで取り上げられるなど、かなりの反響のようです。

ヒルドイドが良く知られている薬だからかもしれませんが、まさか薬剤師の皆さんは冷静に対応されていますよね?

詳しくはこちら
・ヘパリン類似物質ローション 0.3%「NIT」:ニトロソアミン化合物検出及び自主回収(クラスⅡ)に関するお知らせ

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クラスⅡの自主回収とは?

今回のヘパリン「NIT」の回収レベルは「クラスⅡ」です。

この「クラス」とは?

回収される製品によってもたらされる健康への危険性の程度によりⅠ、Ⅱ、Ⅲとクラス分類されています。

今回のクラスⅡは「重篤な健康被害のおそれはまず考えられない状況」とされています。

一般の方であれば、メーカーの自主回収や「発がんのリスク」などの言葉を見ると不安になるでしょうが、薬の専門家である薬剤師も同じように不安を煽るのはどうかと思います。

クラスⅡの回収については、9月は15件、このブロブを書いている10月16日時点でも8件あります。

重篤ではないから問題ない、よく起きていることだから問題ない、ということではないですが

薬の専門家である薬剤師が必要以上に不安を煽るのはどうかと思います。

詳しくはこちら
・PMDAサイト:(参考)クラス分類について


ニトロソアミン類とは何か?

今回問題となった「ニトロソアミン類」とは何か?

詳しくは専門家の先生にお尋ねください。

ニトロソアミン類は、肉製品や加工魚などの保存や加熱調理の際、もともと含まれるアミン類と亜硝酸塩が反応することで生成されるようです。

また、人間の胃の中(強酸性)でアミン類と亜硝酸が反応して作られることもあるようです。

近年、ニトロソアミン類が問題となっているのは、医薬品への混入が発見されているからです。

日本でもバルサルタン製剤の自主回収やラニチジンおよびニザチジン製剤の自主回収がありました。

このように摂取を避けることが難しいニトロソアミン類は発がん性があることから、生涯摂取を前提とした基準「1日許容摂取量」が設けられています。

この1日許容摂取量は、「該当する物質を生涯(70年間)毎日摂取し続けた場合に、そうでない場合と比べて発がんリスクが10万分の1増加する量」を限度として設定されています。

今回、ヘパリン「NIT」で発見されたニトロソアミン類は「ジイソプロパノールアミン」という名で、1 日許容摂取量は400ng/dayと設定されています。

食品を例に400ngの「ジイソプロパノールアミン」の量を表現しようと思ったのですが、「ジイソプロパノールアミン」が食品で発見された例は無いようです。

「ニトロソアミン類」の量について、SNSなどで食品の含有量と比較しているものを見かけますが、少し間違っています。

この「ニトロソアミン類」の問題は、ニトロソアミン類は化合物の総称であり、様々な化合物が存在することです。

それぞれの物質によって1日許容摂取量は違うので、リスク評価や分析が難しいようです。

ヘパリン「NIT」のニトロソアミン類について、それほど問題ではないことを伝えるために、食品の含有量を用いて説明するのは分かりやすいですが、少し違うといったのは上記の理由です。

詳しくはこちら
・食品中のニトロソアミン類に関する情報:農林水産省

・ニトロソアミン問題について:シオノギファーマ株式会社

・医薬品におけるニトロソアミン類混入リスクへの対策


患者さん所有製品は回収対象外?

これらの情報を踏まえて、今回のヘパリン「NIT」の事例を見てみたいと思います。

今回、ヘパリン「NIT」でニトロソアミン類を測定した結果、1 日許容摂取量(400ng/day)を上回る同物質が検出された。

医薬品リスク管理計画に基づくリスク管理措置が行われるまでは、暫定管理値として2,680ng/dayで管理する。

この暫定管理値(2,680ng/day)については、1 日許容摂取量と使用期間(2024年6月14日発売開始)を考慮しても患者さんの生涯発がんリスクを著しく高める可能性が極めて低いと判断した値とされています。

このような状況において、この暫定管理値を上回る可能性がある「製造から25ヶ月以上経過した市場流通品」に対して回収するという措置が取られます。

ただ、より確実に暫定管理値を上回る製品を回収するために、今回、20ヶ月以上経過した製品を自主回収するとなりました。

製造から20ヶ月以上経過した製品の対象ロットは、添付資料を確認してください。

患者さんから問い合わせがあった際に、どのように対応したらよいのか?

回収対象外ロット

ニトロソアミン類について聞かれた際は、不安を煽ることなく上記の内容などを説明。

対象外のロット製品のため使用は問題ないことを伝える。

回収対象ロット

現状の回収対象は、医薬品卸や医療機関・薬局となっています。

患者さんが使用している製品の回収は対象外となっているようです。

今までのクラスⅡの自主回収でも、患者さんからの回収事例は少ないです。

ただし今回のヘパリン「NIT」の回収については、様々なメディアで情報が拡散されており、医療機関によっては患者さんから問い合わせが来ているようです。

薬局に対して、回収や交換を求められる患者さんもいるかもしれません。

その際の対応については、事前にメーカーに確認が必要になるかもしれません。

「発がん性」と聞くと多くの方が不安に感じると思います。

こういう時こそ、専門家は正しい情報を伝えて患者さんを安心させてあげることが大切だと思います。

詳しくはこちら
・ヘパリン類似物質ローション 0.3%「NIT」:ニトロソアミン化合物検出及び自主回収(クラスⅡ)に関するお知らせ

・日東メディック「ヘパリン類似物質ローション0.3%「NIT」」 – 回収:消費者庁リコール情報サイト


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